日本のフィットネス人口が伸びないたった一つの理由

日本のフィットネス人口が伸びないたった一つの理由

現時点でフィットネスジムは、一部の意識が高い層や健康リスクを感じ始めている、または健康を害した経験のある中高年層が利用するニッチなサービスとなっている。

それは、日本国内におけるフィットネス参加人口は2019年度でたったの4.4%しかないことからもよく分かる。

日本でフィットネス人口が伸びないたった一つの理由。それは、運動初心者や多くの人たちに、フィットネスサービスが“痩せる”ための手段として、定着してしまっているからだと考えている。

これはサービサーが多くの見込み顧客にリーチするため、現代人の誰しもが抱える共通の悩みに対する分かりやすい訴求であるからに他ならない。

ここにサービサーのみならず、フィットネスサービスを利用する人でさえ欠けている視点がある。

それは、筋トレを始めとした体を動かすという行為そのもの自体が、自身の身体をメンテナンスする、適切な状態に保つ役割を持っているという視点だ。

「運動効果 研究」で調べればいくらでも好意的なデータは集められるが、今回は身近な歯磨きと比較して、運動習慣がなぜ身につかないのかを考察していきたい。

毎日歯は磨くのに健康のために運動しない7割の人々

平成28年の厚労省の歯科疾患実態調査によると、1歳以上の人で毎日歯をみがく人の割合は 95.3%にも上り、毎日2回以上歯をみがく人の割合は年々増加を続けており、平成28年は77.0%であった。

当たり前の生活習慣として日々の歯磨きが日本人に定着していることが分かる。

一方で、運動習慣がある人はどの程度いるのだろうか。同じく厚労省による国民健康調査で20歳以上の男女の運動習慣のある人の年次推移が以下である。

公益財団法人生命保険文化センターより引用
出典:厚生労働省「国民健康・栄養調査報告」/令和元年

運動習慣とは、頻度、時間、強度、期間の4要素から定義されるもので、国民健康・栄養調査では「週2回以上、1回30分以上、1年以上、運動をしている者」としている。

これによると運動習慣があるのは男女ともに3割程度に留まるらしい。

歯磨きは、仕事や家事や子育て、どれだけ忙しくて時間がない人でも毎日欠かさない人は多いはずだ。

しかしながら、ほとんどの人が毎日歯磨きで歯をメンテナンスするのにも関わらず、かけがえのない資本であり、インフラでもある身体にあまり気を遣う習慣がない人がないのはなぜだろうか。

歯磨きと運動の本質は健康意識

歯磨きも運動もその行為の本質は内発的に沸々と湧き上がってくる健康への意識だと考える。

歯磨きは口臭のエチケットとも言えなくはないが、口内を適切な状態に保つことが予防医療という観点で健康である。なぜ歯磨きほど運動が定着しないのか。以下が考えられる。

  • 運動が体を健康に保つことの正しい知識や根拠を持ち合わせていない。
  • 運動と一言でいっても軽いものからキツイものまで種々様々あってどれがいいのか分からない。
  • 運動は歯磨きと違って、場所、時間、準備のハードルがあってルーティン化しにくい。

運動を習慣化させるにはどうしたら良いか

なるほど、どうやら歯磨きは簡単だけど、運動は様々な理由が足枷となっているらしい。

ここまで読み進めた皆さんの中には運動を習慣化するために最も手っ取り早い魔法みたいな方法があったらいいのにと思った人も少なくないだろう。

習慣とは行為そのものが目的化すること。そのためには短い時間で毎日簡単にやれることが良い。

「1日たったの3秒」だけで「体を動かすことを意識して体を動かす」だけで運動効果がある、と言われたらどうだろうか。

――筋トレ、1日3秒でも効果――
「疲れる」「時間がない」といった筋トレを継続する上でありがちな〝壁〟に対し、どれくらい手軽でいいのかを探った研究。大学生39人が参加。肘の角度を固定して上腕に力を入れる、ダンベルを持ち上げるように肘を曲げていく、重いものをゆっくり下ろすように負荷に逆らって肘を開いていく―という3種類の動作のいずれかを機械を使って全力で1日1回3秒間、20日間実施した。その結果、肘を開いていく動作を続けた場合は平均11.5%、それ以外の2種類を続けても4.5%ほど筋力が向上した。

産経新聞より引用 https://www.nishinippon.co.jp/item/o/876338/

人の無意識は省エネを好み、その生活スタイルに合わせた身体に最適化されていくもの。

この実験では、筋肉は普段から能力を出し切らない状態に慣れているため、短時間でも出力を全開にすることで出せる力の水準を上げられたと考えられている。

つまり、毎日の生活で行わない動作を行うだけで身体には何かしらの効果があるとも言えるのだ。

人の細胞は37兆個ある。意識的に体を動かしたりするだけで細胞レベルでは何かしらの作用は必ず起きているのだ。

フィットネスジムの価値はトレーニング効率の高さ

ここで最初の議題に戻ろう。フィットネスジムの価値とは何か。土台となっている価値はやはり専門的なトレーニング器具にある。

特定部位のみの筋肉に効率よく負荷をかけるという意味では、可動部位を制限してくれるトレーニングマシンの右に出るものはいない。

ところが、最初からフィットネスジムに通って高効率の運動を実施しながらそれを習慣化するというのは運動初心者にはとてもハードルが高い。歯磨きと違って運動が習慣化できない理由を前述したとおりだ。

効率が良いことと習慣化できることはまったくの別物である。運動や筋トレが痩せることと必ずしもイコールではないことも運動の習慣化ひいては、フィットネス参加人口の増加、定着を妨げている理由でもある。

フィットネスジムは運動をすでに習慣化できた人への次のステップとして位置するべきなのである。

運動習慣のファーストステップ

痩せたいなら決して痩せようとしてはいけない。我慢やストレスとの闘いではなく、あくまで健康になりたいというポジティブな願いの方が長続きするし、運動習慣を手に入れた過程で痩せるという結果が生まれてくる。

手前味噌で恐縮だが、運動習慣のファーストステップにオススメのサービスがある。現役医師が監修した完全非対面のアライメント診断&運動処方サービス「FitAgo!」だ。

公式サイトはこちら

骨格や筋肉の整列度合いを動画で診断して、その方の身体が抱える問題点を明らかにした上でそれらの問題を解消するための運動メニューを提供するオンラインパーソナルトレーニングサービス。

運動メニューは筋トレとストレッチ種目が組み合わさった毎日できる7種目7分のプログラムを処方する。

歯磨きと同じくらい日本で運動習慣を定着させたい。フィットネス参加人口を欧米諸国並みに増やしたい。という思いで開発したサービスなので、1日3秒の運動習慣を実現した暁にはぜひ「FitAgo!」の利用も検討いただけると嬉しい。

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