運を引き寄せるたった一つの方法

運を引き寄せるたった一つの方法

「心の状態が共鳴するものを引き寄せる」

欧米では、ジョセフ・マーフィーの引き寄せの法則、日本においては、類は友を呼ぶという諺もありますが、人種、言語、思想が違えど、同じ類の気付きが時代や場所を超えて生まれ、それぞれの文化の中に根付いていることは非常に興味深い。

良い運気を引き寄せるためには「ポジティブな思考が求められる」と、多くの書籍で書かれています。しかしながら、科学が進歩している現代でも説明ができない”運気”の正体を精神世界や宇宙などど繋げて論じるものもあり、オカルトだとか、スピリチュアルだとか、自己啓発だとかで一言で片付けられることもありますが、私個人は非常に好きなテーマの一つです。


とある研究者が分野や職業を問わず、政治家や経営者、学者や芸術家、アスリートなど世にいう成功者が残した回顧録や自叙伝で出てくるワードを調査したところ、努力や才能、信念といった言葉よりも偶然、たまたま、運良くといった言葉の方が多く使われていたことが分かりました。

世の中で成功者と呼ばれる人々は、人生と仕事の多くの場面で、無意識に「運気」を感じて、チャンスを掴み取る力を持っているのです。

運気の正体とは

巷ではよく運が良い人のことを「持っている」「ツイてる」というふうに言いますが、そもそも運気とは一体どのようなものでしょうか。それは具体的に以下のようなものです。

直感で閃くパチンコや宝くじなど、賭け事で「勘が冴える」「第六感が働く」というもの。

予感が的中する…「虫の知らせ」という言葉もありますが、想像したことが現実のとおりになる。

好機を掴む…「必要なとき」に「必要な場所」にいる。

シンクロニシティが起こる…連絡を取ろうと思っていた相手から連絡が来る。離れた場所での偶然の一致。

運命を感じる…一見無関係な出来事が意味を持っている(いた)ように感じる。

おそらく、これを読んでいる皆さんも1度や2度ならず、このような経験がいくつもあるのではないでしょうか。

ネガティブはパフォーマンスの低下を招く

運の良さ、悪さは、よくポジティブとネガティブという感情のプラスとマイナスに紐づけて語られますが、一体なぜでしょうか。これは仕事の質に置き換えると大変イメージがしやすいです。

不安や恐怖、不満や怒り、嫌悪や憎悪といった「ネガティブな思念」を抱えていると集中力の低下、間違いやミス、効率が上がらない、アイデアが湧かない。など、本来あるはずのパフォーマンスを発揮できなくなり、それが更なる問題やトラブルの火種になり、いわゆる「運気が下がる」という状況になる。

ネガティブな感情が身体のパフォーマンスに多大な影響を与えるケースを考えてみます。

例えば、「幅20cmの線の上を歩いてください」と言われたら、ほとんどの人がはみ出すことなく歩けるはずですが、これがもしも漫画カイジにあるような地上数十メートルの高さの鉄骨の上を歩かされる場合どうでしょうか。きっと大きな恐怖と不安を感じて、同じ結果を得ることはできなくなります。

一見眉唾に聞こえる無意識や潜在意識といったワードが多くの人に受け入れられているのは、誰しもが実生活の中でイライラしている人、“なんとなく嫌な感じ”がする人から意識的に避けようとしたり、明るく楽しい人と過ごす時間が心地良いと肌で感じているからだと言えます。

ポジティブになれない2つの理由

様々なところで語られているポジティブになるための手法、確かに効果がありそうにも見えますが、人は意識的にポジティブになろうと思ってもなれません。それは人の本質に絡む大きく2つの理由があります。

1つ目は、無意識にある自己懲罰意識、自己否定意識といったもの。過去に行ってしまった自分を責めざるを得ないような出来事が「こんなにうまくいってはいけない」「うまくいくはずがない」と、無意識に自分の足を引っ張るのです。良いことが続いた時に、何か悪いことが起きるのではないだろうか。悪いことが起きたときに「あの時の●●でバチが当たったんだ」と考えてしまうことってないでしょうか。

2つ目は、ポジティブになろうと思えば思うほど、双極的にネガティブな思念も生まれるということ。

仕事の高い目標や困難な課題に挑戦しようとするとき、強い意志を持って、周りに宣言すればするほど、「ほんとうにできるだろうか…」「できなかったらどうしよう…」「どうせ自分なんか」という迷いや不安が生まれます。

生きるために必要な本能とも呼べる性質ですが、どれだけ表層的にポジティブで取り繕って意識的にポジティブになろうとすると必ずと言っていいほど、相反するネガティブが湧き出してきてしまうのです。

ポジティブになるにはまずネガティブの受容から

出来ることなら、もう一度やり直したい過去の失敗した体験を思い返してみていただたきたい。

与えられなかったもの、失ってしまったもの。がたくさんあることでしょう。 しかし、どのような失敗体験でも必ず、失わなかったもの、与えられたもの(結果、気付き)が必ずあります。

世界三大心理学者のアルフレッド・アドラーは、「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」そして、また“人生最大の喜びも対人関係の中で生まれる”と看破しています。

そこで諦めるか、次も挑戦するかの分かれ道は、それらを真摯に受け止め、如何に学ぶか。光の部分に目を向けられるかなのです。

実のところ、相手が”直接的に自分を非難したり、攻撃してくることによる苦しみ”というより、相手が自分を非難しているのではないか、嫌われているのではないか、という”不安感や恐怖心の苦しみ”がほとんどで、詰まるところ『自分の中の自分を責める気持ち、または、相手を責める気持ちが自分を苦しめている』という状況が往々にしてあります。

「その出来事は、自分に何を気付かせようとしているのか」
「その出来事は、自分に何を学べと教えているのか」
「その出来事は、自分どのような成長を求めているのか」

このような問いにより、傷ついた出来事、傷つけてしまった行動、なぜあの時に、という過去の後悔や失敗と対峙し、成長という視点で解釈を変えることがポジティブへの第一歩になるのです。

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