ハイパス機能を使ったHDR風加工のPhotoshopチュートリアル

ハイパス機能を使ったHDR風加工のPhotoshopチュートリアル

今回は、Photoshopのハイパス機能を使ったHDR風レタッチの方法のご紹介です。
HDR風レタッチの流行りは数年前なので少し今更感がありますが、1分程度でできる簡単な方法なので、まだご存知ない方はお試しください。

HDRとは?

そもそも(High Dynamic Range)イメージとは、テレビやPCモニターでの映像出力に際して、高い輝度幅を担保することにより黒つぶれを防止するために生まれた技術です。かなり個人的な意訳を含んだ説明ですが、ザックリとはこんな認識で大丈夫だと思います。

ですので、印刷というよりはデジタルモニターでの閲覧に適した画像表現。
元々は3DCGやコンピューターゲームのグラフィックスをより現実に近づけるニュアンスで活用されていた印象があります。

しかし最近(?)では、スマホのカメラやデジタルカメラに専用モード(特に夜間撮影)として搭載されていたり、写真作品の表現技法として使用されていたりもします。

特に写真の表現技法として、HDRをかなり強めにかけた様なニュアンスのレタッチが数年前に流行してからは、FlickerなどのSNSでもよく見かけるようになりました。

流行したHDRレタッチ

例えばこんな感じ。
シャープネスが強くかかったパキっと鮮明な印象になりますね。というか絵やCGの様な趣すらあります。

HDR本来の趣旨からは外れますが、パッと見のインパクトと合わせて、この現実感の無さが人気の理由かもしれません。

HDRレタッチのやり方

1.まずは元画像のレイヤーを複製します。

2.複製したレイヤーにハイパスをかけます。

数値は、どのくらいの強さでパキッとさせたいかによって変わるので、試しながら調整してください。

3.ハイパスをかけたレイヤーの描画モードをリニアライトに。

完成!

写真がハッキリしましたね。

とても簡単です。

HDRレタッチは時々程々をキャッチフレーズに

今回は効果がわかりやすい様にかなり強めに効果をかけましたが、これだと個人的にはちょっとやり過ぎのように思います。

HDR風レタッチは、強めにかけるとなんの変哲も無い写真でもちょっとアーティスティックな趣に加工できるので、なかなか面白い技法ではあるのですが、この加工に慣れすぎるとHDR加工されていない写真がどんどん物足りなくなってくるので注意が必要です。

ドラッグに例える写真家の方もいらっしゃいますが、もっと鮮明に、もっとアーティスティックにとエスカレートし易いこともこの技法の特徴。あまりやりすぎると写真本来の魅力や空気感などを損なう恐れがあり、また損なっている感覚が麻痺していってしまう危険性があるのでご注意ください。

ちなみにこのハイパスしてリニアライトで重ねる加工、私は単に画像にシャープをかけたい時にかなり弱めにして使ってます。
アンシャープマスクよりも後から調整し易いのでオススメです。

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