テレワーク時代に必須のセルフコントロール能力の高め方

テレワーク時代に必須のセルフコントロール能力の高め方

この2か月弱はテレワークがほぼほぼ生活の中心に変わり、場所、時間という物理的かつ半強制的な制約によって、コントロールされていた環境が大きく変わりました。

5月25日に関東一都三県を含む全国で解除された緊急事態宣言ですが、西村担当大臣によると引き続き、テレワーク稼働への要望を先週21日の会見でも提言しています。

「解除後も会社戻らないで」 西村担当相「テレワーク継続を」

油断していると韓国やドイツのように再度感染が広がっていくと指摘し、「せっかくテレワークで自宅で仕事ができるということが分かってきた。より効率良くできるのであれば、それは是非継続していただきたい」と補足した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200521-00010012-wordleafv-soci

コロナ禍における外出自粛によるテレワークの恩恵は確実に認知されていて、緊急事態宣言が解除された後でも週の出社日数を減らしていくことを決定した企業が何社も出てきていますが、アフターコロナでテレワークが標準化した社会では、自主的に自己を管理する「セルフコントロール能力」が必要なスキルとされることは間違いありません。また、この能力を高めていく必要があることが重要です。

今回は、セルフコントロール能力を身につけるため、通勤や仕事場所に代わる新たな習慣づくり(儀式=ルーティン)を生活に取り入れることをおススメしていきたいと思います。

儀式で認知機能やセルフコントロール能力が高まる

ルーティンとは、厳格さと反復の二つの特徴があり、明確なルールのもと何度も同じことを繰り返す儀式のことを言います。

ルーティンが世間的に広く認知されたのは、社会現象にもなったラグビー日本代表の五郎丸選手ではないかと思いますが、ボールをゴールに向かってキックする前に必ず行われる独特なポーズは皆さんの脳裏にも強く焼き付いているはずです。

一見するとオカルトっぽく、無駄にも思えるこのような所作を用いたルーティンですが、ここ十数年で様々な研究がなされており、ゴルファーがボールにキスをする動作をしたらパットの確立が上がった、テストの前に指を規定回数鳴らすと点数が良くなった、などなど数多くの実験報告があります。

ルーティンが人間の認知機能やセルフコントロール能力を高める働きがあるということで、これは、原始の時代から人が生存するために反復に反応するセンサー備わったという風に考えられています。

不確実な自然が相手の世界で食糧や身の安全を確保するには目の前で繰り返し起こる事象(時間、場所、周期)に注目して、正確に先を予測した人だけが結果的に生き残ってきたという過程に基づくもの。

人は生まれながらにして、反復に対して、魅力やモチベーションを高めるプログラムが実装されているのです。

無意識で実行されている「繰り返しに反応」するプロトコル

ルーティン以外にも例えば、心理学で有名な単純接触効果という心理効果があります。何度も繰り返して接触することにより、好感度や評価等が高まっていくという効果ですが、「接触頻度を増やすだけで、相手から好意を持ってもらいやすくなる」のですから不思議です。

知性と理性をもって善し悪しを判断していると思っているようで、繰り返しの力で簡単にバイアスされているという事実も一方で認めなくてはいけません。

ルーティンは2つの条件とポイントで儀式する

儀式は以下の2つの条件によって成立します。

  • この行動をした後にこの作業に取り掛かるというルールを決める
  • 決めたルールを順守し、その手順を何度も繰り返すこと

とはいえ、ルールを決めること、それを繰り返して息をするように生活習慣に取り込むことは決して容易ではありません。

私が実際に朝の習慣にしている実例を元に習慣化させるポイントを解説していきます。

起床したらすぐ水を飲む
カーテンを開ける
トイレに行く
体組成計で体重と体脂肪率を計測、スマホに記録
散歩に行って、筋トレをする
朝食を食べる
観葉植物に霧吹きする

ここまでの流れが1セットになっています。

ポイント①達成バイアスをうまく活用する

1つ目のポイントは達成バイアスです。

重要度が高かったり、難しかったり、面倒な作業を習慣化させようとすると、かえって続きません。例えばトレーニングはその代表格だと思います。ですので、そのタスクの前に散歩という軽いタスクを用意して、散歩の流れでトレーニングするという手順を敢えて作っています。

アメリカの研究で、「最初に重要なタスクから処理したチーム」「最初にリスト化して上から処理したチーム」「リスト化した後、簡単なタスクから処理したチーム」では、最後の簡単なタスクから処理したチームが最もパフォーマンスが高かったという実験結果があります。

ほんのちょっとしたハードルであってもそれを達成することで、次の行動への集中力や意欲を刺激していくのです。

ポイント②出来たを記録して記憶に定着させる

2つ目のポイントは定期的にデータを記録することです。これは、日記やブログ、TwitterなどのSNSアプリへTwitterなどでも構わないです。

昨年からダイエットを始めた一環で、朝一番に体組成計で体重と体脂肪率を計測して、記録することを行ってきました。その日の数字をアプリに打ち込むだけの至極簡単なタスクではありますが、出来たことを記録するという作業の繰り返しが、「自分はできる人間だ」という感覚を増やす働きがあるのです。

記録に関しては何を記録するか、その内容もまた重要です。行動を変えたいときは自分が取った行動だけを記録すること。結果を出したいとき結果への過程だけを記録すること。

どんなにささいな事象の記録であっても長く続けていくうちに自分の中で重要度や信頼度が増していって、そこから更に続けていくと、それだけ大事なことを続けてこられた自分は能力が高いのだと自信を高めることに繋がり、意欲を高めるのです。

さいごに

そのルーティンが定着するまでどのくらいの期間がかかるのか、これには諸説ありますが、週4回2か月程度で身に付くといわれています。回数にすると30回前後でしょうか。

一時期Youtubeでモーニングルーティン動画が流行っていてたくさん動画が上がっていますが、ルーティンの2つの条件やポイントを軸に注目してみると自分に取り入れられる思わぬヒントが見つかるかもしれません。

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