つみたてnisaについて調べたのでまとめてみました

つみたてnisaについて調べたのでまとめてみました

以前、米国ドル建ての貯蓄型保険を解約したことについて、「目的の解像度が低い投資は浪費をしている ~アフターコロナの投資的思考~」で書きましたが、その続きになります。

その後もNISA、iDeCo、貯金、定期預金、貯蓄型の保険など様々な運用方法に調べた結果、まずはNISAから始めるのが良さそうという結論に達しました。何が正解ということもありませんが、保険の解約から今の自身の状況を踏まえて、なぜこのような結論に至ったのか、まとめていきたいと思います。

お金の価値は相対的に決まる

あまりこれまで気にしてこなかったのですが、積立で複利や利回りなどの知識を得ていくと、どうしてもお金の価値について考えることになります。

通貨もモノと同じで需要と供給によってその価値が変動します。そんなの当たり前と思われるかと思いますが、物の値段が上がれば相対的にお金の価値は下がります。

例えば、ポテトチップスはここ20年くらいで2倍くらいに価格が上がっているのですが(内容量の減少+値上げ)、これは20年前に1,000円で10個買えたお菓子を今同じ量を買うには倍のお金が掛かるということになります。

当然ながら、20年間で生活水準も上がっていて、全国平均の最低賃金では2000年~2019年で659円→901円(約1.3倍)と上がっていますから、毎日の生活を考えるとそこまで違和感はないのかもしれませんが、20年という時間軸で考えると非常に大きく価値が変わっていることが分かります(ポテチに関しては内容量を減らすことで実質的な価格アップをしている)。

これが引き出しに1,000円を眠らせていた場合どうなるでしょうか。お金そのものの物質的な価値は変わっていませんが、相対的に交換できるモノの量が減って、価値が目減りしていることになります。

投資で「お金が減るかもしれない」リスクは現金も同じ

物価上昇で現金の価値が下がることをインフレーションと言いますが、その逆はデフレーションで物の価値が下がり、通貨の価値が上がることを言います。

これを聞いても分かるとおり、現金を銀行に預けておいて置くことも立派な投資だと言えます。各銀行によって預金金利は変わりますが、大体0.01%~0.1%程度と微々たるもの。

しかし、仮にこれから先10年でデフレになり、物の価値が大きく下がるのなら、現金で資産を保有するメリットもあります。

ただし、上述した物価上昇による価値の目減りのリスクに加えて、現金でそのまま保有しておくことで紛失や盗難、詐欺などの被害に遭うこともあるでしょう。こういったリスクを言い出したらキリがありませんが、安心安全だと思っている銀行でさえ、振り返ってみれば倒産している過去があります。

現在、緩やかにインフレが堅調に進んでいる日本においては、現金の価値が徐々に下がっていっているので、当然お金を別の価値に変えるという選択肢を考えていく必要があります。

投資は元本が保証されない。大事な資産が減ってしまうかもしれない。投資と聞くとなんか怖い。こういったイメージが先行してしまう人は多いと思いますが、まず現金を銀行に預けるという時点でもうすでに投資をしている、という認識を持っておくべきだと言えます。

投資信託による間接的な株式や債券への投資は企業の一部を保有していることになり、サービスやモノを売って現金を対価として得ている企業は物価が上昇した時に売上や利益が上がるので、インフレによる現金価値目減りのリスクヘッジになります。

NISAのざっくり世界観

NISAとは少額投資非課税制度と呼ばれるもので、本来利益に掛かる20%程度の税金が免除されるという制度で、一般、つみたて、ジュニアの3つがあります。金融庁サイトやその他証券会社各社のサイトに分かりやすく説明が書いてありますが、最初にこういう説明されていたら世界観が掴みやすかったのに…という視点でざっくり要点だけ掻い摘んで紹介していきます。

つみたてNISAとは、2018年~2037年まで毎年40万円を上限に金融商品の買い付けができて、最長で20年その売却益に税金が掛からない制度のこと。※購入してから20年経つと自動的に課税口座に払い出されますが、その時の時価が取得金額になるため差益の税金が掛からない。

途中で売却して現金化することも可能ですが、再購入する場合に年40万円の枠を消費するので、頻繁に売り買いをするというよりは、長期的に保有して差益を得ることを目的としています。

対象商品は金融庁が認めたもののみで全部で182本(2020年6月29日時点)しかなく、投資商品の中身は、株式、不動産、債権の3つ。投資先は国内(日本)先進国(アメリカ、ヨーロッパなど)、新興国(中国、インド、アフリカなど)のものに分かれる。※これらを複数組み合わせた商品もあります。

対象商品182本うち157本は指定インデックス投資という特定の指数(日経平均株価やNYダウ平均株価など)に連動して値動きするよう設計されたもので、運用者が異なるだけでパッケージ化された中身はほとんど同じものだったりします。※信託報酬の手数料が違う、口座を開設する証券会社によって購入できる、できない商品が若干変わります。

以上を踏まえた上で、一般NISAは、2014年~2023年まで毎年120万円を上限に最長5年売却益に税金が掛かりません。対象期間が短くなっている代わりに上限額が上がっているのがつみたてとの大きな違いです。※対象商品はつみたてNISAよりたくさんあります。

一般とつみたてはどちらか一つしか選べず、口座開設時に選択をすることになりますが、証券会社への届け出をすれば切り替えができます。※買い付けをしている場合は、翌年分から切り替え可能。

また、ジュニアNISAは、0歳~19歳の未成年向けを対象にしており、2014年~2023年までは一般と同じですが、毎年80万円を上限に最長5年となっています。ただし、こちらは原則18歳まで現金の払出ができません。

つみたてNISAと比較してよく語られるのが、iDeCo(個人型確定拠出年金)ですが、投資運用をするという観点ではつみたてNISAと同じですが、違いを端的に分かりやすく言うと、60歳まで解約ができない。掛け金は全額所得控除できるが、受け取りに関しては、所得の扱いになるので税金が掛かることが挙げられます。また、元金保証の定期預金型もあるようです。

iDeCoは掛け金が全額控除されるというメリットがある一方で、原則途中で解約ができないというのがデメリットです。

詳しくはiDeCo公式サイトへ☞https://www.ideco-koushiki.jp/guide/

不測の事態に備えるための生活防衛資金

世界的に影響が大きかったコロナショックによる不況など、職を失ってしまったり、給与が減額されたり、はたまた突発的な病気、事故など急な出費に備えるために生活防衛資金を確保しておくという考え方があります。

生活防衛資金は、生活費×3~6か月程度を現金で持っておいた方が良いといわれていますが、色々な可能性を考えた上で、自分が思うこれだけあれば一先ず安心という金額で正直十分なのではと考えています。親族が近く住んでいる、最悪生活レベルを落として暮らせる、家族の有無など、人によって環境、考え方、選択肢が多岐に分かれるからです。

お金の話がしにくい日本

運用や投資を考える前にまず不測の事態に対応できるよう最低限の身の安全を確保しておくことが重要ですが、そもそもこういったお金や投資の話をすること自体どこか悪いイメージがあって、友人知人にはちょっと言い出しにくいところがあったりしないでしょうか。

少なくとも私の身近にこういったお金にまつわる話ができる人は片手で数える程度しかいません。本当は誰もがみなとても気にしているポイントなのに、です。

「お金は汚いものでも悪いものでもなく、ただの道具でしかありません」

センシティブな話題と受け取られてしまうかもしれませんが、その道具を使うことでどうやったら自分が幸せになれるのか、生活をより楽しく豊かにしていくためのポジティブな気付きや学びの機会を逃しているこの状況は社会にとってマイナスだと考えています。

ライブドア事件で一躍有名になった村上ファンドの村上世彰さんが設立した財団で子供の投資教育と実体験プログラムをやっているのをご存じでしょうか。中学高校生を対象に投資資金を支援してもらえるというものです。

子どもの投資教育・実体験プロジェクト☞https://imakimi.jp/

これまで学校教育などでは教えてもらえないお金の正しい知識を学ぶきっかけ作りとしては、非常に有意義な取り組みだと思います。

こうした活動を通して、子供のころからお金に慣れ親しんで大人になった人が、お金の話を何の気なしにできるような風土が根付いていけばと思います。

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