今から始める本物の教養の身につけ方

今から始める本物の教養の身につけ方

確固たる自分の意見を発信できるようになるためには、何が必要かを考えて、色々と右往左往した結果、教養というテーマにたどり着いた。

教養は、様々な表現で定義が語られるが、一番しっくりと腹落ちしたのが「知識が手段で教養は目的」

つまり、知識なくして教養はありえないが、知識を素材にして自分の頭で考え、自分の意見を持つことが教養になるということである。

この意見を持てないというのは単に考え不足が原因で引き起こるが、今回は、その考え不足がなぜ起こるのか。時点で、知識を教養化するためには、どうしたらいいか。について書いていきたい。

考えることは、簡単に手抜きができて、困らないからやらない

自分の頭で考えない人が多いのは、なぜか。持論としては以下の3つだ。

  • 自分の意見を持たなくとも社会生活に困らない。
  • 情報が消費される時代になり、一つのことをじっくり考える時間がない。
  • 他人が整えたそれらしい答えがインターネットですぐに見つかる。

つまり、考えることは、「簡単に手抜きができて、日本で生きていく上で困らない」からやらない。

本質的な問題は「考えなくても困らない」という点に尽きるが、大学生の就職活動で苦労する学生が非常に多いのは、これの典型的な例じゃないかと思う。就活で自分自身のことや将来について考える時に初めて壁にぶつかる学生は想像以上に多い。

ただ、大学生はもとより、大人も決して他人事ではない。年功序列や終身雇用、定年退職が永続するものだったならまだしもそんなのとっくのとうに終わりを迎えていて、より個にフォーカスされていて、会社と個人の関わり方自体も大きく変わっているからだ。

従来の特異な労働慣行に慣れ親しんだ結果、定年後にやることが何もなくなってしまった。なんていうのも笑えない社会問題だが、いまだかつてないほどに個の力が問われているこれから先の時代は、「自分の意見を持てないと困ってしまう未来」がきっと待っている。

やらない言い訳する人=努力を放棄する人

人が何か為そうとする時には、「やる、やらない」の2つの選択肢しかない。

人間は怠け者なので、基本はやらない選択をするものだし、怠け者を抜きにしても、そもそも無意識にやらないと判断していることが山ほどある。

ここで問題なのは、やらないことではなく、やらないことに対して「言い訳」をしているかどうかが大きな分岐点になる。

やらない言い訳をするのは、得てして、面倒ごとや嫌なことから逃げたり、目を背けようとしているということだからだ。

上述した「自分の意見を持てないと困ってしまう未来」に対して、もし「だって、でも、どうせ、いまさら」なんて言葉が思い浮かびだしたら要注意で、それはきっと努力を放棄しようとしている前兆。

やらない言い訳をしようとしてるということは、心のどこかではやった方がいいと思っている証でもあるから、逆にやるメリットや理由をしっかり考えてみる。または、即行動に移してしまった方がよっぽどいいだろう。

知識を教養化させる3つの考え方

知識を血肉化させる方法について、書いていく。例えるなら、知識は服であり、教養はコーディネート。知識を入れることは服を引き出しにしまう行為であるが、必要なタイミングに最適な服を引き出して、十分に着こなせるようにならないと意味がない。

縦と横の視座で考える

ある物事の事象について考えたいときには、縦と横の軸で考える。

縦は、「時間軸(=過去/未来/歴史)」で、横は「空間軸(=他者/他国/世界)」で、何のためにやるかというと、比較になる対象であったり、共通項や共通点、類似を探る行為に近い。

数字+ファクト=ロジックを組み立てる

どれだけ事実に基づいた話であっても主観や感情論交じりの話は説得力がない一方で、事実、論理的ではないことでも、思い込みや本能によって恣意的な判断をしていることもある。

客観的な数字と実際に起こった事実だけを元に論理的に組み立てることで違った一面が見えてくる。

常識を疑う

日本の携帯料金は世界的に見ても高い。タイのバンコクに2年ほど仕事で住んでいたことがあるが、タイの携帯利用料金は安い。当然日本と比べて物価の違いはあるにせよそれにしても安く、タイの大手3キャリアとも明朗会計なシステム。

端末はすべてsimフリーの買い切りで、各社月額基本料金などはなく、通話代やインターネット利用料は使いたい分だけセブンイレブンでプレイペイドカードを買ってチャージする。

インターネットは当時5GBで7~800THB(3,000円弱)とかだったか。ちなみに各社のsimはそこらへんのコンビニに50THBで売っている(※なにか記憶違いがあったら、すみません)。

現在の日本でいう、MVMOに近いがそれよりも圧倒的に安い。一方で日本はどうだろうか?よくわからないオプションや良く分からない費目が明細に連なってないだろうか。

つまり、売り手側と買い手側に大きな情報格差がある場合や、供給元が少なく独占された状態に近い場合、人は疑うことを基本しないので、商売がとてもしやすい。これは揺るぎない事実である。

さいごに

知識なくして教養はありえないが、知識を素材にして自分の頭で考え、自分の意見を持つことが教養になる。手段と目的をはき違えてしまってはいけない。個の力を磨いていった結果、他者と差別化されていくのだと考えている。

社会や経済の分かりやすい解説でお馴染みの池上彰さんは、教養とは「よりよく生きるために学ぶもの」と言っているが、まさにそのとおりであると思う。教養こそが本当の意味で「これからの自分の生き方」を決める必要な条件になる。

今からでもきっと遅くない。

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