仕事が劇的に高速化する古くからのタイムマネジメント法

仕事が劇的に高速化する古くからのタイムマネジメント法

皆さんは、自分が普段どのくらいの作業にどのくらいの時間を要しているかご存知だろうか。
「わからない」という方は、もしかしたら多くの不要な時間を費やしてしまっているかもしれない。

今回の内容は、習慣化することで作業効率が飛躍的に向上するタイムマネジメントについて。

結論から言うと、その方法とは「ToDoリスト」「タイムトラッキング」なのだが、この誰もが知る簡単な方法で、業務時間は格段に短縮することができる。

仕事の時間が短くなれば早く帰れる。1日をリセットする時間や勉強する時間が増えれば、それは成長を助ける。

方法がいかに簡単でも、新しい習慣を身に付けるには相応の労力を伴う。しかし、それで創出される時間という恩恵は計り知れないので、是非導入を検討してみて欲しい。



なんとなく続けていた習慣に隠れた真価

そもそも、この「ToDoリスト」と「タイムトラッキング」という習慣は、独立前に勤めていた会社で身につけた習慣。

多くの方がそうであるように、私もまた最初は上司から言われてやもなく取り入れたものだった。

今でこそ、この習慣が今の自分の助けになっていると実感することができているが、当時これをやれと言いつけた上司も、そのまた上司から言われていたに過ぎず、この習慣から得られる真の価値についての説明はほとんどなかった。

ToDoリスト

当時、ToDoリストは紙に書いていた。プライオリティー順に上から並べて記述し、実行したらチェックをつけるという非常にベーシックなもの。おそらく誰もが想像しているものとなんら違わないものと思う。その後、慣れてくると週別に、日別にと細分化。ちなみに現在はGoogleカレンダーを使っている。

タイムトラッキング

タイムトラッキングは、業務日報という形でメールに作業時間を記録し、週の最後に専用のアドレスに送信していた。

【業務日報】 2019年11月4日~11月8日 長谷川

2019年11月4日(月)
●ToDoリスト作成<0.5h>
●【案件名】作業名①<2h>
●【案件名】作業名②<3.5h>
●雑務
2019年11月5日(火)
●【案件名】作業名①<2.5h>
●【案件名】作業名②<1h>
●【案件名】作業名③<3h>
●雑務
2019年11月6日(水)
●【案件名】作業名①<1.5h>
●【案件名】作業名②<0.5h>
●【案件名】作業名③<2.75h>
●【案件名】作業名④<2h>
●雑務
2019年11月7日(木)
●【案件名】作業名①<4h>
●ミーティング<1h>
●【案件名】作業名②<1.5h>
●雑務
2019年11月8日(金)
●【案件名】作業名①<4h>
●【案件名】作業名②<1.5h>
●雑務

このメールは開きっぱなしにしておいて、作業の開始時刻を覚えておき、終わったと同時にかかった時間を追記して行く。ちなみにこれは今も同じ方法で管理している。

最初は「なんでこんな面倒な」と小言を呟きながら記していたことは言うまでもない。しかし1年2年と続けて行くうちに、これほど有用なツールは他にはないと、身にしみて実感するようになった。

ToDoリストは「決断の時間」を削減する

まず、ToDoリストは「考える時間と実行する時間を分ける」という目的を持っている。

なるほど、使いこなせるようになってくると、自分がいかに迷いながらタスクをこなしていたのかが身にしみる。

人は思っているより遥かに多く「決断」に時間を費やしている。

Appleの創業者スティーブ・ジョブズは、毎朝着て行く服を決断する時間を嫌って、全く同じ服を何着も用意し、そのリソースの削減を実行していたと言う。マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツもFacebookの創始者マーク・ザッカーバーグも、全く同じ理由で自分なりのユニフォームを決めている。

ToDoリストもカラクリは同じ。

次はどのタスクを進めようか、という「決断の時間」を削減することによって、無意識に費やしてしまっている無駄な時間を排斥することができる。

私の場合、月曜日に出社するとまず一週間分のタスクを洗い出し、それを日別に割り振るという仕事から始める。自分で自分の秘書をしているといった塩梅だ。最初に今後やる事とその順番を決めておくと、後はその予定に従うだけで良いという状態になる。

タイムトラッキングで自分のリソースを高い確度で把握する

ただし、ToDoリストを使いこなすには、ある程度の確度を持ったリソース認識が必須になる。
自分がどんなタスクにどの程度の時間を費やしているのかを把握しなければ、タスクを1週間に割り振るのは難しい。

そこで必要なのが「タイムトラッキング」の習慣である。

これは、従業員の管理ツールとして業務日報などの報告媒体に使用されているケースが多いと思う。要はサボらなで業務を遂行させるため、管理者から言い渡される社内ルールとして多くの会社で活用されている。先にも述べたように、私も過去にそういった目的でタイムトラッキングを記録し、報告していた。

しかしこの真価は、もっと奥深いところにある。
単なる管理ツールとして使用していてはあまりに勿体無い。

タイムトラッキングの真の価値は、自分のリソース把握にある。毎日、作業終了毎にその要した時間を記録し続けていると、いつしか依頼を受けた時点で「この作業ならこのくらいの時間でできるな」という感覚が身についてくる。それもかなり高い確度で予想できるようになるのが非常に有用だ。

そうして、自分のリソースとタスクのボリュームが可視化されてくると、ToDoリストの管理能力が素晴らしい精度で発揮されるようになる。

さいごに

この二つの習慣を完全に実行できるようになってから、一度だけToDoリストの作成をサボってしまったことがある。やはりと言うか、見積もっていた時間の1.5〜2倍程の時間を要した。苦い記憶である。

それからはいくら忙しくても一度落ち着いて、コーヒーでも啜りながらキッチリToDoリストを作成している。それが例え週の半ばにドカッと案件が立て込んでしまったとしても、「考える時間」を切り分けて一旦手を止め、実行の予定を立てることにしている。

まだこの二つのツールを使っていない、もしくは上司に言われて仕方なく従っていると言う人は、一度その有用性を本気で考えて、自分のために使ってみて欲しい。

あなたの自由な時間を生み出す方法が、簡単かつ即実践可能な状態で、目の前に転がっているのだから。

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